凡人

ただの人です。

灰と幻想のグリムガル 感想

割と昔のアニメみたいだけど見つけたので、見てみました

個人的にはかなり面白かった。ネタバレになるけど、まぁ死ぬだろうなぁって思ってたら死んだのは申し訳ないけどウケちゃったな

でも、昨今の最強系とか全部上手くいっちゃう系は全然好きになれないから、こういう葛藤の連続みたいな話はもっと増えてほしいなぁ

 

というのもね、難しいんだよ。悩むってのは。

夏休みの宿題もさ、答えを見ながら写すのは簡単じゃん。つまり、敵を倒すのは前提。主人公が知恵を使って、どうやって勝つか。勝ったらまたもっと強い奴が出てくる。以上。みたいな。ドラゴンボール方式ですね

ドラゴンボールはね、精神と時の部屋とかいうチートがあるから勝てる。ストーリーが進む。で、新キャラが出てくる。こうなると面白いのは、次の新キャラの設定だけ。

 

でも、葛藤ってのはそうじゃない。どうにもできないんだよ。油断した過去も、失敗も、失った仲間も、復活なんかしない。仲間とは分かり合えない。自分はどうしたらいいか分からない。

なんていうのかな。戦ってるんだけどさ、敵と戦ってるんじゃないんだよね、自分と戦ってるのよ。ずーっと孤独に、進んでるのかも分からないストーリーを、何をしたらクリアできるかも分からない中で、自分なりの答えを探しながら、立ち止まりそうになる足を引きずって、ただ進む。それが"芸術"だと僕は思う。

 

人の中身って、弱くて脆いんだよね。過去、現在、未来。全てを完璧にできる人は多分存在しないし、それこそが弱さになる。メンタルが強い人とかは、そういうのを見ないフリしてる。向き合うのも強さなら、無視するのも強さなのかもしれない。

向き合おうとする人、見てないように見える人、どう見たらいいか分からない人、見る強さがない人、見てるのか見てないのかよく分からない人。そういった人たちは、「乗り越えてたように見える人」を失って、どんな選択を、どんな感情を、どんな人生を考えるんだろう。

そうやって考えることが、小説や物語をより面白くするスパイスなんだよな。

 

って思います。